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【COMPUTEX 2026舞台裏】AI企業に交じって並んだ台湾グルメ NVIDIAジェンスン・フアン氏がGTC背板に載せた5つの店
Posted on 2026/06/09
写真出典:NVIDIA GTC Taipei 2026 Keynote
NVIDIA創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏は、GTC Taipei at COMPUTEXの基調講演冒頭で、長年にわたりNVIDIAの成長を支えてきた台湾のサプライチェーンに感謝の意を示した。
巨大なスクリーンに映し出された背板には、半導体、サーバー、電子機器製造、金融、通信など、台湾を代表する企業や組織の名前が数多く並び、台湾が世界のAI産業において重要な役割を担っていることを印象付けた。
しかし、その中に思いがけない名前が含まれていた。花娘小館、磚窯古早味懷舊餐廳、Fruit Lady、王記府城肉粽、富霸王豬腳――いずれも台湾で知られる飲食店である。
これらの店はAI技術と直接の関係はない。それにもかかわらず、NVIDIAが台湾のパートナーへ感謝を示す背板の中に登場したことで、会場の注目を集めた。本講演における印象的な“彩蛋(サプライズ演出)”の一つとなったのである。
花娘小館
GPUへのサインが生んだ“聖地”
数ある台湾グルメの中でも、フアン氏のお気に入りとして最も有名なのが四川料理店「花娘小館」だ。
フアン氏は過去に同店の看板メニュー「蒼蠅頭(ツァンイントウ)」を高く評価したことがあり、それをきっかけに店は大きな注目を集めた。
特に話題となったのは、来店時にファンが持参したNVIDIA製グラフィックスカードの箱へ直接サインを書いた出来事である。関連写真はSNSで広く拡散され、花娘小館は台湾を訪れるNVIDIAファンの“聖地”として知られるようになった。
多くの人にとって、この店は単なるレストランではなく、フアン氏と台湾のファンを結ぶ象徴的な場所となっている。
磚窯古早味懷舊餐廳
AIサプライチェーン幹部が集う「兆元宴」
花娘小館がフアン氏の親しみやすさを象徴する場所だとすれば、磚窯は台湾産業界とのつながりを象徴する場所と言える。
近年、フアン氏はCOMPUTEX期間中に台湾の主要サプライチェーン企業の経営陣を招き、同店で食事会を開いている。
参加者にはTSMCの魏哲家董事長、MediaTekの蔡力行CEO、Quantaの林百里董事長、ASUSの施崇棠董事長、Foxconnの劉揚偉董事長に加え、Pegatronの童子賢董事長、Acerの陳俊聖董事長、Wistronの林憲銘董事長など、台湾を代表する企業トップが名を連ねる。
出席企業の多くは半導体、AIサーバー、電子機器製造、ブランドPC、ネットワーク機器、電源、冷却技術などの分野を代表する企業であり、その時価総額や年間売上高は兆台湾ドル規模に達する。このことから、台湾メディアはこの会合を「兆元宴」と呼ぶようになった。
近年では、COMPUTEX期間中における注目の場外イベントの一つとなっている。
Fruit Lady(臨江街夜市水果攤)
一袋のフルーツが生んだ温かなエピソード
フアン氏が台湾の夜市を好んで訪れることは、すでによく知られている。
なかでも台北・臨江街夜市(通化街夜市)の Fruit Lady は、フアン氏がこれまでたびたび好んで訪れ、その魅力を語ってきた店の一つとして知られている。そのため、多くの台湾メディアでも取り上げられてきた。
この店がさらに注目を集めた理由の一つが、2025年の COMPUTEX でのエピソードだ。
当時、MediaTek の蔡力行 CEO が基調講演を行った際、フアン氏がサプライズで登壇した。講演の最後に蔡氏が贈ったのは、フアン氏が好んでいることで知られる Fruit Lady のカットフルーツだった。
フアン氏がこの店のフルーツを気に入っていることは広く知られていたため、この贈り物は会場の注目を集めた。
台湾らしい人情味が感じられるこのエピソードは、2025年の COMPUTEX を象徴する印象的な一幕の一つとして語り継がれている。
王記府城肉粽
一つの肉粽が呼び起こす台南の記憶
王記府城肉粽は、台北で知られる台南風肉粽の老舗である。
フアン氏は台湾・台南の出身であり、この店が背板に登場したことで、多くの台湾メディアは同氏と故郷とのつながりを連想した。
肉粽は、多くの台湾人にとって幼少期から慣れ親しんだ味であり、故郷や家庭の記憶を呼び起こす存在でもある。
AIの未来が語られる国際舞台の中で、こうした伝統的な台湾グルメが登場したことも印象的だった。
富霸王豬腳
豚足と蜜餞が描く台北の街角風景
台北・四平商圏の人気店「富霸王豬腳」も、フアン氏が訪れたことで知られる店の一つだ。
メディアは過去に、フアン氏が食事の後、近隣の老舗蜜餞店で買い物をする様子を報じている。
台湾の人々にとってはごく日常的な光景かもしれない。しかし、それが世界を代表するAI企業のCEOであるフアン氏となると、多くの人に新鮮な印象を与える。
こうした街歩きのエピソードもまた、フアン氏が台湾で親しまれている理由の一つとなっている。
テクノロジーの舞台裏にある、もう一つの台湾とのつながり
花娘小館でのサイン、磚窯で開かれる「兆元宴」、Fruit Ladyのフルーツ、王記府城肉粽の故郷の味、そして富霸王豬腳と蜜餞店を巡る街角の記憶。
これらの店は、半導体やGPU、AIサーバーとは直接関係がない。
しかし、それらがNVIDIAの感謝スライドの中に並んだことで、フアン氏と台湾との関係が産業面だけではないことを改めて印象付けた。
COMPUTEXの舞台で語られるのは最先端のAI技術だ。一方で、その背後には人との出会いや思い出、そして台湾の日常がある。
背板に並んだ5つの店名は、テクノロジーの物語の裏側にある、もう一つの台湾とのつながりを静かに伝えていた。