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COMPUTEX BC Award 2025が示す主要トレンド

Posted on 2025/05/16



 BC Award 2025が示す主要トレンド:AI応用の実体化、サイバーセキュリティのレジリエンス、エッジAIとサステナブル設計がテック製品の主流に
COMPUTEXの公式アワードである「Best Choice Award(略称:BC Award)」が、台北時間5月13日午前に発表され、金賞9件、部門賞30件、テクノロジーサステナビリティ特別賞6件の合計45件が選出されました。半導体プロセスの継続的な進化により、世界のテクノロジー業界は加速度的なイノベーションを実現しつつあり、生成AI(GenAI)、エッジAI(Edge AI)、サイバーセキュリティ・レジリエンス(Cybersecurity Resilience)、およびサステナブル・テクノロジー(Sustainable Technology)が市場の中心となっています。

 AI応用の実体化とエッジAI計算が産業AI化を加速
 今年のCOMPUTEXテーマ「AI NEXT」に呼応し、受賞製品の6割以上がAI応用に焦点を当てており、AIが産業のイノベーションを牽引する多様な姿を示しています。Precedence Researchの調査によれば、2025年の世界AI市場規模は7,575.8億米ドルと予測され、2034年には3兆6,800億米ドルに達し、年平均成長率(CAGR)は19.2%となる見込みです。
 大型生成AIシステムは性能限界を次々と突破しています。新世代の高性能AIサーバープラットフォームは、大規模GPU相互接続と液冷技術により、大規模言語モデル(LLMs)の推論・学習速度を大幅に向上させると同時に、データセンターの省エネ・脱炭素化を実現し、高性能コンピューティング(HPC)と環境持続可能性の双方の要件を満たしています。
 エッジAI技術の台頭により、低消費電力・高性能・マルチモーダル対応のチップ設計が促進され、IoTや産業オートメーションの応用強化、データ転送コストの削減、リアルタイム性とプライバシー保護の向上が実現しています。
 これはスマートシティ、スマートファクトリー、スマート医療などの分野における鍵となる推進力です。さらに、エッジAIコンピューティングプラットフォームは、先進的なAI推論モジュールとマルチセンサー統合技術を搭載し、ADAS先進運転支援、スマート農業、物流自動化、AMR自律移動ロボットなどを支援。交通、農業、製造業のスマート化を加速させています。

 サイバーセキュリティのレジリエンスが企業変革の鍵に
 サイバー攻撃が増加する中、セキュリティ対策は単一防御から全方位の脅威予防へと進化しています。セキュリティ製品も国際展開を加速し、地域特化型の脅威分析とカスタマイズされた防御を提供することで、企業のグローバル運営における情報セキュリティのレジリエンスを強化し、供給網のセキュリティ課題に対応しています。

サステナブル・テクノロジーが主流に——循環型経済と低炭素設計が全面展開
 カーボンニュートラル(Net Zero)やESG指標といった世界的潮流を背景に、テクノロジー製品の設計には循環素材や省エネルギー技術の導入が急速に進んでいます。
たとえば、TEAMGROUP(十銓科技)の「T-FORCE 環境配慮型ゲーミングRGBメモリ」や、Acer Inc.(宏碁)の「TravelMate P6 14 AI搭載ビジネス向けCopilot+ PC」などがその代表例です。これらの製品は、PCR(再生プラスチック)、リサイクルアルミ、生物由来素材(例:牡蠣殻を原料とした素材)といった環境負荷の少ない材料を広く採用し、さらにペーパーレス梱包やレーザー彫刻による印刷代替技術を取り入れることで、製品ライフサイクル全体のCO₂排出量削減を実現しています。
詳しい内容は公式サイト:
https://bcaward.computex.biz/default.aspx




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