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台湾国科会「2025年AIイノベーション応用フォーラム及びIC Taiwan Grand Challenge表彰式」

Posted on 2025/05/15



台湾国科会「2025年AIイノベーション応用フォーラム及びIC Taiwan Grand Challenge表彰式」

 国家科学技術委員会(国科会)は5月15日に、「2025 AIイノベーション応用フォーラムおよびIC Taiwan Grand Challenge表彰式」を開催し、国内外の産業界の重要人物を一堂に集め、台湾が半導体産業の優位性を活かし、AIイノベーション応用の新たな局面をどのように切り拓くかについて議論しました。
「IC Taiwan Grand Challenge」が台湾のチップイノベーション能力を示す
 国科会主任委員の呉誠文氏は挨拶で、IC Taiwan Grand Challengeは2024年から、世界中のIC設計、チップ応用、システム統合における優秀な人材を発掘・誘致することに注力しており、第1回では国内外のスタートアップや学術研究チームから5チームが受賞したことを紹介しました。
 受賞したスタートアップのうち2社はすでに南港ICインキュベーションセンターに入居し、米国のスタートアップ「GalaVerse」は国科会の積極的な働きかけにより、国内外の大手企業との連携を実現しました。資金面ではIC設計大手からシード資金の投資も受け、市場が新技術の応用に高い期待を寄せていることを示しています。
 フォーラムでは第2回コンテストの結果も発表され、世界154チームからの応募の中から、最終的に5つの優秀なチームが選出されました。

●英国のGenenet Technology Limited(AIと量子技術による遺伝子回路工学)
http://www.tippc.tw/UI_layout/DetailPage.aspx?nid=3222&pid=57
●フランスのWISE-INTEGRATION(GaN電源デバイス)
http://www.tippc.tw/UI_layout/DetailPage.aspx?nid=3218&pid=57
●スウェーデンのNSS Water(ナノ純水技術)
http://www.tippc.tw/UI_layout/DetailPage.aspx?nid=3219&pid=57
●シンガポールのJMEM TEK(ポスト量子暗号セキュリティチップ)
http://www.tippc.tw/UI_layout/DetailPage.aspx?nid=3220&pid=57
●シンガポールのTurboNext(大規模言語モデル向けの異種計算および高効率メモリ技術)
http://www.tippc.tw/UI_layout/DetailPage.aspx?nid=3221&pid=57

 これらのチームはフォーラムでの表彰のほか、COMPUTEXのInnoVEX国際スタートアップ館で革新技術を展示し、5月22日にはInnoVEX Pi Stageで技術発表を行う予定です。国科会は今後も、受賞チームの台湾での技術連携や産業チェーンとの接続を積極的に支援していきます。

AI応用の最新トレンドを専門家が共有

 呉主任委員は、台湾を「AIの島」とするため、今回のAIブームにおける独自の優位性と市場機会を最大限活かす必要があると述べました。
第3回IC Taiwan Grand Challengeでは、AIコア技術とチップ分野を競技対象に加え、国内外の人材が台湾に拠点を構えるきっかけを作り、台湾独自のAI応用システムの開発につなげたいと語りました。

 呉氏はさらに、台湾が自立した応用システムを開発することで、独自製品やブランドの育成が可能になると強調しました。たとえば、国科会宇宙センターは10月に福衛8号衛星を打ち上げ予定であり、この衛星の部品の84%は台湾企業が提供し、設計・統合作業もすべて台湾国内で行われています。また、今朝行政院で承認された「スマートロボット産業推進計画」も、台湾のソフトとハードの統合力とAI応用を組み合わせ、社会のニーズに応える独自のソリューションを構築する方針です。

 本日のフォーラムでは、AI応用の革新に焦点を当て、5名の業界リーダーが各分野における応用事例と見解を発表しました。

葉儀晧氏(イーエレクトロニクス会長兼CEO):「AI画像認識の革新的応用」ースマートシティや自動運転など、多様な分野でのAI画像認識技術の可能性を紹介
洪泓杰氏(AUO上級副総経理):「スマートキャビンにおけるAIセンシングの新応用」ー自動車体験や安全性向上における革新
張合翕氏(台湾シーメンス社長/Frank Grunert):「先端技術によるスマート製造の加速」ーAIが製造業の効率向上に果たす役割
潘健成氏(Phison創業者兼CEO):「エッジAIによるデジタルトランスフォーメーション」ーPhisonのaiDAPTIV+ソリューションによる革新的ストレージ技術
賴俊豪氏(Skymizer会長):「生成AIのエッジ展開の加速」ーエッジ環境における生成AIの技術動向と課題を分析

 最後に、著名な経済コラムニスト林宏文氏が司会を務める座談会「台湾がAI応用システム先進国を目指す鍵」では、講演者全員が登壇し、台湾AI産業の発展における課題と機会を掘り下げました。
産業界のリーダーたちは、台湾におけるAI応用発展のビジョンを描き、政府と民間の協力によって多様かつ差別化された応用シナリオを推進し、経済成長と産業高度化を牽引することを期待しています。


※ IC Taiwan Grand Challenge紹介
 台湾の政府機関である国家科学及技術委員会は、世界各地から優れた技術をもつ企業を対象に、ピッチコンテスト
" IC Taiwan Grand Challenge "(通称、iCTGC)を開催いたしました。
  ICTGC は、革新的な IC 設計を使用して高度なアプリケーション ソリューションや強化されたテクノロジを積極的に開発しているチームに焦点を当てており、特にスマート データと人工知能、スマート モビリティ、スマート製造、スマート医療テクノロジ、持続可能性の分野のチームに重点を置いています。

エントリーしたい企業は、下記のURLから応募してください。
https://award.ictaiwanchallenge.org/Home/JPIndex




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