米半導体大手マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)は、台湾の半導体ウエハー製造大手・力積電(Powerchip Semiconductor Manufacturing、PSMC)と、苗栗県銅鑼郷に位置するP5ウエハー工場の取得について協議を進めている。関係者によると、取得額は約18億ドル規模が想定されているが、現時点では、前向きな方向で協議を継続している段階とされる。両社間で覚書(MOU)は締結されておらず、最終的な条件やスキームについては引き続き協議中である。
本件が実現した場合、力積電はマイクロンのプロセス認証を経た上で、先端DRAMパッケージング分野の供給網に参画することも選択肢として検討している。新竹地区の生産拠点を活用した技術協業の可能性も含め、今後の連携の在り方について協議が続けられている。
今回検討されている投資は、世界的なメモリー供給逼迫を背景に、AI向けメモリー搭載量の増加を見据えた中期的な製造戦略の一環と位置付けられている。AIサーバー分野ではHBM(広帯域メモリー)やデータセンター向けDRAM、AI PC分野ではLPDDRの需要拡大が見込まれており、台湾はグローバル製造戦略において中核的な拠点となる可能性がある。
力積電の黄崇仁董事長は、「仮に本件が進展すれば、財務体質の改善につながるとともに、新たな事業機会の創出が期待できる」と述べ、いずれの場合においても社員の雇用維持を最優先とする方針を強調した。台湾経済部も本件について、「台湾半導体サプライチェーンの競争力強化に資する可能性がある」との認識を示している。