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台湾、APICTAで過去最多受賞 AI・産業応用に広がる競争力

Posted on 2026/02/04



台湾の賴清徳総統は2日、総統府で「アジア太平洋ICTアライアンス・アワード(APICTA Awards)2025」の台湾受賞代表団と面会した。代表団はアジア太平洋ICTアライアンス(APICTA)の王定愷・執行委員が率い、台湾のデジタル政策を所管するデジタル発展部(日本のデジタル庁に相当)の侯宜秀・次長が同行した。

台湾は同大会で金賞10、銀賞8、銅賞6の計24賞を獲得し、過去最多を更新した。賴総統は「台湾のICT分野の研究開発力と実装力が国際的に評価された」と述べ、受賞分野が幅広い点に着目した。

APICTAはアジア太平洋地域の主要ICTコンテストで、2025年12月は台湾・高雄で開催された。13のインド太平洋経済圏から256作品が出品される中、台湾勢は消費者向けアプリ、産業応用、ビジネスサービス、政府・公共分野、学生部門などで存在感を示した。特に産業向けAI、スマート製造、データ活用、公共デジタルサービスでの評価が高く、台湾のエコシステムの実装力を裏付けた。

賴総統は面会で、APICTA事務局、高雄市政府、デジタル発展部、台北市コンピューター協会(TCA)の運営を評価した一方で、焦点は「受賞の象徴性」よりも産業波及に置いた。台湾出身の国際審査員が専門性と公平性を確保したことが、評価の信頼性を高めたとも指摘した。

AIが牽引する産業転換

賴総統はAIについて「すでに現在の産業構造を変えている」と述べ、台湾がハードウエア製造だけでなくソフトウエア、データ、応用サービスの三位一体で競争力を高める必要性を強調した。

台湾政府は2024年に「AI新十大建設」を掲げ、2040年までに1兆5,000億台湾ドルを投じてAI人材50万人を育成し、関連産業で15兆台湾ドル規模の経済効果を目指す方針を示している。今回の受賞結果は、こうした人材投資が実際の製品・サービスとして結実し始めている兆候と位置づけられる。

また、台湾は量子技術、シリコンフォトニクス、ロボティクスを重点領域に設定し、計算力、データ基盤、人材、資金調達、海外展開支援を組み合わせた産業支援を進めている。賴氏は「単なる研究ではなく、実市場で使われる技術にすることが重要」と述べた。

中小企業への波及が焦点

賴総統は、AIの価値は「社会課題の解決と生産性向上」にあると強調し、台湾の中小・零細企業がデジタル化とAI活用を進められる環境整備が鍵になると指摘した。台湾の強みであるサプライチェーンを活かし、製造、物流、医療、スマートシティ、エネルギー管理などへの横展開を狙う。

若手人材が担う次の成長

賴総統は受賞者を「台湾のデジタル産業を次世代で担う人材」と位置づけ、APICTAを通じたインド太平洋地域との連携拡大に期待を示した。スタートアップや研究者が域内の企業・研究機関と協業することで、台湾発の技術が国際市場へ展開される可能性が高まる。

最後に賴総統は受賞チームを祝福し、「台湾は実装と連携の場を提供し続ける」と述べ、技術とビジネスが結びつく形でデジタル経済を発展させる考えを示した。



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