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台日半導体連携が一段と深化 TSMC、熊本で取締役会開催へ

Posted on 2026/02/10



半導体受託生産(ファウンドリー)大手の台湾積体電路製造(TSMC)は9日、日本で2日間にわたり取締役会を開催する。市場の関心は通常の配当政策や設備投資計画の承認に加え、取締役会を初めて日本・熊本に移して開催する象徴的意味にも集まっている。これは同社の海外展開の方向性を読み解く重要な指標とみなされている。業界関係者の間では、人工知能(AI)関連需要が拡大する中、熊本第2工場の3ナノメートル(nm)プロセスの位置づけと今後の増産ペースが今回の取締役会の主要議題になるとの見方が強い。

取締役会に先立ち、TSMCの魏哲家(C.C.ウェイ)董事長兼最高経営責任者(CEO)は先週訪日し、日本の高市早苗首相と会談したことで市場の注目を集めた。会談後、魏氏は「熊本第2工場の製造プロセス計画を検討している」と述べ、AI用途の需要拡大に対応して、より先端の製造技術を導入する可能性を排除しないとの考えを示した。

TSMCは近年、取締役会を主要な拠点で開催する方針を強めており、取締役が最前線の事業状況を直接把握できる体制を整えてきた。これは同社が当該地域での事業展開を重視していることの表れとされる。昨年は米アリゾナ州で取締役会を開いたが、今回は熊本を選んだことで、台日半導体協力が一段と深まっていることを示す具体的な動きだと市場は受け止めている。

証券アナリストは「熊本工場は日本の半導体産業再興政策の中核を担う拠点であり、第2工場では3nmプロセスが導入される」と指摘する。投資規模は当初見通しの122億ドルから170億ドルへ引き上げられる見込みで、2028年に量産開始が予定されている。これにより、TSMCは日本の主要顧客や現地サプライチェーンとの連携を一層強化できる。

経営面では、今回の取締役会で財務計画および設備投資に関する通常議案が審議される予定だ。市場では、AIおよび高性能計算(HPC)需要の急拡大を背景に、TSMCの中長期的な設備投資は引き続き先端プロセスと先進パッケージングに重点が置かれると予想している。こうした決定は関連サプライチェーンの投資判断にも大きな影響を及ぼす。



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