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鴻海(Foxconn)、NVIDIA GTCで次世代AI基盤を披露Vera Rubinサーバーラックを初公開
Posted on 2026/03/17
【サンノゼ発】電子製造受託サービス(EMS)大手の鴻海科技集団(Foxconn)は、米半導体大手NVIDIAが主催する開発者会議「GTC」において、次世代AIインフラと応用技術を披露した。劉揚偉董事長率いる100人超の代表団が参加し、AIサーバーからロボティクス、スマートシティまで幅広い領域での最新成果を示した。
最大の注目は、AIサーバー機櫃「NVIDIA Vera Rubin NVL72」ソリューションのフル展示だ。NVIDIA HGXおよびNVIDIA MGXプラットフォームを基盤に、筐体設計、熱対策、電力供給など中核モジュールを統合。最新のNVIDIA RTX PRO 4500 Blackwellにも対応し、AI、データ処理、ビジュアルコンピューティングといった高負荷ワークロードに最適化した。
また、両社が共同開発するAI産業用ヒューマノイドロボットの詳細も初公開。実機デモでは、ピッキング、ねじ締め、搬送といった高精度・反復作業を自律的に実行し、実際の製造現場における安定性と生産効率を実証した。これらのスキルは実工場データに基づく訓練とシミュレーションを組み合わせ、量産拠点へのスケール展開を可能にする。
インフラ面では、モジュール型データセンター(MDC)を中核とする「AI-Ready」アーキテクチャを提案。高密度演算と電力需要の急増に対応するため、柔軟な拡張性とハイブリッド構成を特徴とする次世代基盤を打ち出した。
さらに、同社はNVIDIAのクラウドパートナー(NCP)として、傘下のVisionbay.aiを軸にエコシステム連携を強化。基盤モデル、プラットフォーム、アプリケーション、計算資源を統合する「AI+ワークフロー」アーキテクチャを構築する。現在、台湾を起点に世界各地で総計1GW超のAIインフラ整備を進め、主権AIの実現を視野に入れる。
応用領域でも展開を加速する。スマートシティでは「CityGPT」とNVIDIA Metropolisを連携し、交通管理や公共安全の高度化を推進。スマートEV分野では独自の繁体字中国語LLM「FoxBrain」を活用し、先進運転支援システム(ADAS)の高度化を図る。
医療分野では統合型AIエコシステムを提示し、手術支援ロボット、大腸内視鏡向けAgentic AI、心血管デジタルツイン、乳がんのマルチモーダル精密医療の4領域に注力。AIの実装を産業・社会の各分野へと拡張する戦略を鮮明にした。