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聯發科(MediaTek)の蔡力行CEO、COMPUTEX 2026でAI戦略を講演

Posted on 2026/03/30



台湾の半導体大手、聯發科(MediaTek)は、副董事長兼最高経営責任者(CEO)の蔡力行氏が COMPUTEX 2026 で基調講演を行うと明らかにした。講演は 6月3日、台北南港展覧館2館 で実施する予定だ。生成AIの活用がクラウド中心の運用から端末側へと広がるなか、同社は今回の講演を通じて、AIをデータセンターから日常生活に近いエッジ機器へと拡張する戦略を打ち出す。
蔡氏は講演で、AIを百萬瓩級の大規模データセンターから、日常的に使用されるスマートエッジ機器へと広げていく方向性を示す見通しだ。あわせて次のAI進化の波を展望し、同社の先端技術がAIの普及をどう後押しし、「誰もがスマートにつながる生活」をどう実現していくのかを説明するとみられる。
AI半導体市場ではこれまで、学習用GPUやサーバー向けインフラが注目を集めてきた。一方で足元では、推論処理を端末や周辺機器側に分散させる「エッジAI」への関心が急速に高まっている。処理遅延の抑制や消費電力の最適化、通信負荷の軽減、さらにはデータ保護の観点からも、クラウドと端末を組み合わせた分散型の計算基盤が重要性を増している。
こうした流れの中で、MediaTekは低消費電力設計や高集積SoCで培った強みを生かし、モバイル向け半導体の枠を超えてAI時代の主要プレーヤーとしての存在感を高めようとしている。スマートフォン向けチップで築いた事業基盤を軸に、近年は車載、IoT、通信、クラウド関連などへ事業領域を広げており、AIを新たな成長ドライバーとして位置付ける姿勢を鮮明にしている。
蔡氏は半導体・通信産業での豊富な経営経験を背景に、MediaTekの技術高度化と事業構造の転換を主導してきた。スマートフォン市場の成長鈍化が意識されるなか、同社がAI関連分野でどこまで新たな収益機会を取り込めるかが、中長期の成長戦略を左右する。COMPUTEX 2026での講演は、MediaTekが次の10年を見据え、AI分野でどのような技術ビジョンと産業ポジションを描くのかを示す場となりそうだ。



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