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AIロボット需要をにらみ、台湾企業がCOMPUTEXに布陣 上銀、宇隆が導入拡大を見据え先手

Posted on 2026/04/02



生成AIの発展がソフトウエア領域にとどまらず、実空間で稼働する「フィジカルAI(Physical AI)」へと広がるなか、世界のロボット市場を巡る競争も一段と熱を帯びている。2026年6月に開催されるCOMPUTEXでは、初めて「AI ROBOTICS」エリアが設けられ、台湾の関連企業も新たな商機の獲得に動き出している。伝動部品大手の上銀、減速機事業を強化する宇隆、事業転換を進める永彰、視覚AIを手がける歐特明などが出展し、ロボット産業の実装段階を見据えた布石を打つ。
上銀は、遊星ローラースクリューの単価が現在、一般的なねじ製品の約10倍に達するため、普及率はなお高くないと説明する。一方で、人型ロボット用途では軽量化、負荷対応、効率のすべてを同時に満たす必要があることから、今後は遊星ローラースクリューが採用される可能性があるとみている。現段階では、AIロボットはまず工場などの閉鎖空間から導入すべきだとしており、信頼性、安全性、効率の検証を経たうえで、徐々に開放空間へ広がっていくとの見方を示す。今後2~3年は、搬送、物流、溶接など特定機能に特化した専用型AIロボットの導入が先行し、汎用型の人型ロボットが本格普及する段階にはまだ至らないとみている。上銀はまた、国内の受託生産大手やモーター関連メーカーを含むロボット大手との協業を継続していると明らかにした。
宇隆は、信邦との戦略提携を通じて、米国のロボット大手サプライチェーンへの参入を狙う。減速機はロボットの関節モジュールにおける中核部品の1つとされ、精密機械メーカーにとって付加価値の高い成長分野でもある。市場では、宇隆の減速機事業が2026年下半期に本格的な立ち上がり局面を迎えるかどうかに注目が集まっている。
視覚認識分野では、歐特明が車載グレードの視覚AIソリューションを中核に、自律移動ロボットや無人車両向けの展開を進めている。同社は2025年のCOMPUTEXで鑫創電子と共同でAI深度画像システムを展示しており、今年も引き続き出展することで、産業用途市場における認知度向上を図る。
永彰は、宝佳集団の資本参加を受けて、事業構造の転換を進めている。エネルギー技術、熱管理、スマートビル分野に加え、スマート製造分野では産業用ロボットや自動制御設備なども展開しており、従来型製造業から自動化・ロボット関連市場へと軸足を移しつつあることを示している。




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