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WiwynnのAI戦略が次の段階へ、サーバー製造からAIデータセンター競争へ

Posted on 2026/05/26



【台北発】生成AIによるインフラ需要の拡大が、AIサーバー産業の競争構造を大きく変えつつある。台湾のAIサーバー大手、緯穎科技(Wiwynn)は5月25日に投資家向け説明会と株主総会を開催し、董事長の洪麗寗氏と総経理兼CEOの林威遠氏が、AI市場の見通し、グローバル生産体制、そしてCOMPUTEX 2026での技術展示の方向性について説明した。
発言内容からは、AIサーバー業界の競争が単なる製造能力の競争から、システム統合、電力管理、グローバル供給網の運営能力へと移行していることがうかがえる。

林CEOは、AIサーバー需要は引き続き非常に強いと説明した。市場の重心は、大規模言語モデル(LLM)の学習(Training)から、実運用を支える推論(Inference)へと移りつつある。企業によるAI導入やAgentic AIの発展に伴い、データセンターではストレージ、コンピュート、高速データ伝送の需要が同時に拡大しているという。
個別GPU製品の売上構成比は顧客プロジェクトによって変動する可能性があるものの、AIサーバー全体の出荷成長トレンドは変わらないとし、CPU、GPU、カスタムASICプラットフォームへの投資を継続する方針を示した。

一方、供給網の課題は生産能力不足から、部材調達と資金管理へと移っている。林CEOは、高性能GPUやHBMなど高価格部材の調達が資金負担を増やしていると説明。対応策として、長期供給契約(LTA)による安定調達を進めるほか、大手クラウド事業者(CSP)と寄託(Consignment)モデルの協議も進めている。顧客が主要チップを供給し、Wiwynnがシステム統合と製造を担うことで、在庫負担や財務リスクの軽減を図る。

COMPUTEX 2026では、親会社の緯創(Wistron)と共同で50を超える製品を展示する予定だ。注目分野の1つが、CPO(Co-Packaged Optics)を含む光通信技術である。AI演算性能の向上に伴い、従来の銅線によるデータ伝送は帯域幅や消費電力の面で限界が見え始めている。光通信は次世代AIインフラの中核技術として期待されており、同社はHVDC(高圧直流給電)や次世代液冷技術も併せて展示し、NVIDIAのVera RubinやAMDのHelios世代への対応を示す。

生産体制では、米テキサス新工場が2025年末に稼働を開始し、既存のメキシコ拠点と合わせて北米2拠点体制を構築した。顧客の現地調達ニーズや供給網リスクへの対応を強化する狙いだ。また、高性能AI液冷ラックでは1ラックあたり100kWを超える電力が必要になるケースもあり、電力確保が新たな競争力となっている。Wiwynnは米国、メキシコ、マレーシアなど主要拠点で電力供給計画を前倒しで進めており、2028年を見据えた準備を進めているという。
AIサーバー産業では、単にサーバーを組み立てる時代から、半導体、冷却、光通信、電力を含めたAIデータセンター全体を構築する競争へと移りつつある。Wiwynnの戦略転換は、その変化を象徴している。




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