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PhisonとMediaTek、スマートフォン単体でのAI大規模モデル実行を実証

Posted on 2026/05/15



Phison(群聯電子)とMediaTek(聯發科技)は、端末AIの実用化に向けた技術協業を加速している。PhisonはMediaTek Dimensity Developer Conference(MDDC 2026)において、MediaTekの次世代SoC「Dimensity 9500」プラットフォーム上で、20B(200億パラメータ)規模の大規模言語モデル(LLM)をスマートフォン単体で動作させる技術デモを公開した。生成AIがクラウド中心の利用から端末側へ広がる流れを象徴する取り組みといえる。

生成AIのスマートフォンやIoT機器への搭載が進むなか、課題となるのは演算性能だけではない。DRAM容量、消費電力、発熱制御といった端末固有の制約の中で、いかに大規模モデルを効率的に動かすかが焦点となっている。

今回のデモでは、Phisonの独自技術「aiDAPTIV™ Hybrid UFS」を採用した。aiDAPTIV™ Cache MemoryおよびaiDAPTIV™ Middlewareを組み合わせることで、MoE(Mixture of Experts)モデルの一部ウェイトをUFSストレージ層へ動的にオフロードする構成を実現。これにより、従来16GB以上のDRAMを必要としていた大規模モデルを、12GB DRAM環境でも動作可能にした。

スマートフォン市場では、端末内でAI処理を完結させる「オンデバイスAI」が次の競争軸として注目されている。クラウド依存を減らすことで、応答遅延の低減、通信コストの抑制、プライバシー保護の強化といった利点が見込まれるためだ。

今回の協業は、AIインフラの重心がデータセンターからエッジへと広がりつつあることを示している。AIは今後、クラウド上のサービスにとどまらず、スマートフォンやIoT機器そのものの中核機能として実装が進む可能性が高い。




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