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中華電信の簡志誠董事長、AI活用の本格化を展望 オールフォトニクスネットワークや衛星通信、耐量子計算機暗号が次世代インフラの鍵に
Posted on 2026/07/08
中華電信の簡志誠董事長は、世界のAI産業は引き続き成長局面にあり、半導体やAIサーバー市場は今後10年間にわたり高い成長が期待されるとの見方を示した。また、AIの発展は大規模言語モデル(LLM)の開発段階から、製造、医療、交通、金融など各産業への応用段階へと移行しており、通信事業者はデジタルインフラを支える「エネーブラー(Enabler)」として、より重要な役割を担うことになると述べた。
簡董事長は7日、「2026台湾ベンチャーキャピタル・プライベートエクイティ年次大会」に出席し、中華電信が推進する「海・地・星・空」レジリエントネットワーク構想について説明した。同構想では、海底ケーブル、光ファイバー網、モバイル通信、マイクロ波通信に加え、低軌道(LEO)、中軌道(MEO)、静止軌道(GEO)衛星を統合し、高い信頼性と耐障害性を備えた次世代通信インフラの構築を目指している。特に今後10年間は、オールフォトニクスネットワークと衛星通信が通信インフラの発展を支える重要な技術になるとの見方を示した。
AIの今後については、次の成長ステージは生成AIそのものではなく、製造業や医療、金融などにおける産業別AIアプリケーションの本格的な導入にあると指摘した。一方で、AIの普及に伴いサイバーセキュリティの重要性も一段と高まるとし、量子コンピューター時代を見据え、耐量子計算機暗号(PQC)技術や量子鍵配送(QKD)技術が、次世代デジタルインフラを支える重要な基盤技術になるとの考えを示した。
中華電信はAIおよび通信インフラへの投資に加え、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じたスタートアップ支援にも積極的に取り組んでいる。中華投資や中華電信研究院が提供する5G実証環境を活用し、概念実証(PoC)、技術開発、実証実験から事業化までを包括的に支援することで、新興技術の社会実装を後押ししている。
また、「中華電信5Gアクセラレーター」は2026年、ソブリンAIや「海・地・星・空」を統合した通信技術などを重点分野としてスタートアップを募集し、産業連携と事業化を推進する方針だ。簡董事長は、戦略的投資は単なる資金提供ではなく、技術、実証環境、販路ネットワークなどの経営資源を組み合わせることで、イノベーションの社会実装を加速させることが重要だと強調した。また、台湾のスタートアップエコシステムとの連携を深め、グローバル市場への展開を後押ししていく考えを示した。