写真出典: 2024年のEdgeTech+で講演する群聯電子(Phison Electronics)の潘健成CEO
生成AIの活用がモデル学習から大規模な推論やAIエージェントへと広がる中、GPUやHBMなど高性能コンピューティング向けの需要拡大に加え、データ生成量の増加に伴い、エンタープライズSSDやNAND Flashの需要も拡大している。Phison Electronics(群聯電子)の潘健成CEOは、NANDの供給が逼迫する中、新たな生産能力の立ち上げには相当の時間を要すると指摘し、需給の逼迫が今後も続く可能性があるとの見方を示した。
潘CEOによると、メモリー価格が上昇すれば、メーカーが設備投資を増やすことで比較的早期に生産能力を拡大できると考えられがちだが、実際には新規生産能力の立ち上げには長い時間を要するという。最近、NANDメーカーの幹部と意見交換した際、新規投資から量産開始までの期間について、自身は約2年を想定していたものの、相手からは「4年程度かかる可能性がある」との説明を受けたことを明らかにした。
こうした状況を踏まえ、PhisonはNAND価格が上昇する中でも、将来の供給に備えて戦略的な在庫の確保を進めている。エンタープライズSSDやクラウドサービスプロバイダー(CSP)、AI関連のDesign Win案件など、中長期的なプロジェクトに対する安定供給を確保することが主な狙いだ。
潘CEOはさらに、AIの活用がテキストから画像、動画へと広がり、今後AIエージェントの普及が進めば、デバイスやPC、オンプレミスサーバー、クラウドなどで処理・保存されるデータ量が一段と増加する可能性があると指摘した。こうしたAIの進化に伴い、NANDストレージ需要には引き続き成長余地があるとして、2027~2028年にNAND市場の需給が早期に均衡するとの見方に対しては慎重な姿勢を示している。
Phisonが発表した業績情報からも、AI関連需要の拡大がうかがえる。同社によると、AIインフラの拡大や生成AIの大規模推論への移行を背景に、NANDストレージ需要は引き続き堅調に推移している。CSPやAI関連顧客の一部プロジェクトでは、受注の見通しが2027年上半期まで伸びている。Phisonの2026年第2四半期売上高は678億8,800万台湾ドルとなり、四半期ベースで過去最高を更新した。