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ELANとThunder Tiger、ドローン向け半導体11品目を共同開発へ 台湾政府の研究開発支援事業に採択

Posted on 2026/11/04



総開発費は約10億台湾ドル Edge AI・画像認識・SDR通信を統合し、ドローンの主要技術を国産化

台湾のIC設計メーカー、ELAN Microelectronics(義隆電子)は、台湾のドローンメーカーThunder Tiger(雷虎科技)、AI画像認識・ナビゲーション技術を手掛ける新馳科技と共同で進めるドローン開発プロジェクトが、台湾経済部の半導体研究開発支援事業「IC攻頂計画」に採択され、補助金の交付が承認されたと発表した。プロジェクトの総開発費は約10億台湾ドルで、ドローンや地上管制システム向けに11品目のICを開発する計画だ。

協業先のThunder Tigerは、ドローンの機体開発や飛行制御システム、システム統合を手掛ける台湾企業だ。同社の「Overkill FPV」シリーズは2025年9月、米国の安全保障要件に対応したドローンを対象とする「Blue UAS Cleared List」に登録された。台湾企業として初の登録事例とされ、米国市場でも一定の認知を得ている。今回のプロジェクトでは、同社が機体設計、飛行制御システム、主要部品の仕様策定、地上管制システムの統合を担当する。

プロジェクトを主導するELANは、主要ICの設計に加え、Edge AI(エッジAI)およびOn-Device AI(オンデバイスAI)の開発を担当する。具体的には、障害物検知・測距用のToF(Time of Flight)IC、地上管制端末向けのMini LEDローカルディミング制御IC、指紋認証IC、長距離通信向けアレイアンテナ関連IC、ソフトウェア無線(SDR)用の高周波(RF)ICなどを開発する計画だ。

AI機能では、台湾製AI SoCと画像認識アルゴリズムを組み合わせ、対象物の認識・追跡、視覚情報を用いた障害物回避、自律航法、移動するプラットフォームへの高精度着陸などの実現を目指す。新馳科技はAIビジュアルナビゲーション技術を担当し、周辺環境の認識や自律飛行能力の向上を支援する。
通信分野では、SDRを活用した長距離映像伝送・制御技術、アレイアンテナ、分散型Ad Hoc Meshネットワークを統合する。5機以上のドローンによる協調運用を開発目標に掲げるほか、電波妨害への耐性を高め、複雑な通信環境でも安定した制御を可能にする技術を検討する。

さらに、HIL(Hardware-in-the-Loop)およびSIL(Software-in-the-Loop)によるシミュレーション環境を整備し、台湾の地形や特殊な環境を再現したデジタルツインを活用する。AIモデルの学習、アルゴリズムの検証、システム試験を通じて、開発効率と実環境への適応性を高める方針だ。
ELANは2025年第3四半期からAI画像認識関連製品の量産・出荷を開始しており、ドローンなどの新たな応用分野を開拓している。今回の協業は、台湾の半導体設計、ドローン製造、AIナビゲーション技術を結び付ける取り組みであり、主要ICから機体、地上管制システムまでを含む台湾製ドローンのサプライチェーン強化につながるとみられる。



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